045-264-6590
CLOSE

DISEASE_NAME

糖尿病⑤ 治療(生活習慣編)

糖尿病と診断された場合、慢性的な高血糖を是正すべく治療が必要となってきます。治療には薬を使う薬物治療と薬を用いない非薬物治療があります。

生活習慣病の名の通り、実際のところ大事なのは日々の食習慣や運動習慣、ストレスなどを見直す非薬物治療です。しかし、薬を飲み続ける以上に難しいのが慣れた生活スタイルの変更であるのも事実・・生活習慣の改善で劇的な効果を上げる方もいますので是非取り組みたい治療法です。

今回は糖尿病治療にかかわる食事、運動、その他生活習慣の注意点を紹介します。

※診断時点でHbA1cや血糖値が異常高値であったり、著しい合併症が出現している場合などは非薬物治療だけでは対応が難しく、専門の医師介入の元早期から薬物治療が開始される場合もあります。個々の治療に関してはかかりつけの医師と相談しながら進める必要があります。以下はあくまで参考程度に読んでみてください。

糖尿病治療の目標

食事

運動

最後に

 

糖尿病治療の目標

そもそもなぜ糖尿病の治療を行うかと言えば、ひとえにその後に起こる血管のダメージ→合併症の発生を抑制するため、と言えます。

よって血糖そのものの値を下げるだけでなく、血圧やコレステロール・中性脂肪など脂質を適正にコントロールし、適正体重を維持したり、禁煙をするなど対策を行い、健康な人と変わらない生活・寿命を確保することが糖尿病治療の目標です。

食事

1日3食、年間1000回以上している食事ですが、この食事を適切なものとしていくのは非常に重要な一方、とても難しいのも事実です。そもそも生活スタイルによって食事の位置づけは大きく変わりますし、理想を追い求めれば「完璧な食事」はあると思いますが、自分自身も1日最低1食、下手すれば3食コンビニのこともありますし、食事抜きや逆に暴飲暴食傾向となることもあります。よって、おおむね体重管理を指標としつつ、以下の点に気を付けてみるのが生活で実践可能な事ではないでしょうか。

※厳格な食事管理や腎機能障害・高血圧症などの合併によるたんぱく制限、塩分制限は専門的な知識を持った栄養士さんや専門医の指導を要します。

適正体重を把握する:BMI22が適正体重とされます。160㎝の方は22×1.6×1.6=56㎏です

◇大体の1日摂取カロリーの目安を知っておく:目安は目標体重×エネルギー係数です 家事をする程度の運動量ならエネルギー係数は30-35Kcal/kgとなります

◇3食規則正しく食べるのを目標とし、カロリーは均等に割り振る(朝抜き、昼抜き、夜ドカ食いなどは良くないという事です)

◇野菜やキノコ類、海藻類など食物繊維の摂取を心がける

◇動物性脂質(飽和脂肪酸)やマーガリン(トランス脂肪酸)は控えめにする

◇白米や小麦製品などいわゆる主食に糖質が多く含まれることも認識しておく

◇間食は控えめに 特に砂糖を使ったものは避けるのが無難 ナッツ等に置き換えてみる

細かい食事療法などについては様々な本やKindleBookも出版されています。是非活用してみてください。

※ただし一般に流布する食事関連本には偏った内容の物もおおく見受けられます。現役医師がQ&A方式で糖尿病のことを教えてくれるこちらの本は中立的な立場、ガイドラインに準拠した内容で読みやすく、お勧めです!

食事療法については院長自身まだまだ知識不足を痛感している点であり、今後も勉強が必要な分野です。適宜記事もブラッシュアップしていきますのでよろしくお願い致します。

運動

運動もゼロから生活の一部にするのが非常に難しい項目の一つです。

運動の利点としては、運動によってブドウ糖や脂肪酸の利用が促進され、血糖値そのものが低下したり、インスリン抵抗性(インスリンの効きづらさ)が改善したりします。また、減量を促進する効果(代謝があがったり、筋肉量が増えるなど)、心肺機能の向上効果も期待できるため、是非生活に取り入れたい週間の一つです。

※コントロール不良の糖尿病やその他合併症がある場合、すぐの運動療法が危険な場合もあります。もちろん普段の家事、移動、歩行程度は問題ありませんが、追加の運動療法を検討する場合は医師の指示に従ってください。

運動に関しても生活スタイルによって実践可能な班にが大幅に変わります。通常の生活に突然ジムやヨガ教室に通い始めるのは難しいでしょう。よって、食事療法と同様にこのあたりに気を配るとよさそう、実践しやすそう、という点をお伝えします。

◇運動には有酸素運動とレジスタンス運動(筋トレ)があります

◇有酸素運動は軽く息が上がるぐらい行うのが好ましいとされます。早めの歩行、軽いジョギング、水泳など

◇レジスタンス運動(筋トレ):普段運動をしていない場合、筋トレは自重(重りなどを使わない)で十分な場合が多いです。腹筋運動や壁腕立て伏せ、スクワットなど

◇足腰に負担がかかるとぎっくり腰や腰痛、膝痛の原因になりますので要注意です

◇日々の生活で歩行量を増やすことが一番手軽な運動量Up方法でしょう→1駅分歩く、2-3階はエレベーターを使わない等

 

最後に

生活習慣の改善の重要性は糖尿病でなくても多くの人が実感していることです。一方で行動を実際に変容するのは思った以上に大変なものです。まずは自分の日々の生活を振り返ってみたり、食事や運動というキーワードを認識するだけでも少しずつ意識は変化してくるものです。

好きなものを全部食べず、完璧に管理された味気ないものだけ食べる・・栄養面だけではそれも一つの方法かもしれませんが、やはり食事は人生を彩る大事な時間です。そこが楽しくなくてはストレスもたまります。まずはできる範囲で一つずつ生活様式を見直してみましょう。

ページトップへ