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現場報告 ~コロナ患者さんオンライン診療②~

かれこれ400人を超える新型コロナウイルス感染症患者さんのオンライン診療を行った中で、しばしば聞かれる質問がありますので、以下Q&Aを記載します。

※基本的に自宅または療養施設で隔離されている軽症患者さんを対象としており、あくまで診療の中で院長が感じたことを記載していますので、もちろんすべての患者さんに当てはまるわけではありません。

①熱が続きますが大丈夫ですか?

→もちろん実際の診察を行っていないため、確定的な事は言えませんが、患者さんのお話を聞いていると発熱が10日以上続くような方も少なからずいるようです。また、発熱の日内変動が大きいと訴える方も多い印象です。朝は平熱なのに夕方以降高熱をきたすのがつらい、という訴えをよく聞きます。基本的に発熱のみで呼吸状態が悪化していなければ重症化とは考えなくてよさそうです。

②特効薬はないんですか?(アビガン処方してください)

→残念ながらこれを飲めばたちどころにコロナが治る!という治療薬はありません。アビガンやレムデシビルの有用性もかなり限定的なようで、総合病院でも汎用されていません。基本的に熱には解熱剤、咳には適宜鎮咳薬、痰には去痰薬など対症療法が治療になります。

③抗生物質は効きませんか?

→残念ながら新型コロナウイルスは抗生物質が効く細菌ではなく、ウイルスであるため、抗生物質は効きません。風邪にも抗生物質は効きません。むしろ不要な抗生物質の使用は体内の正常な細菌(腸内細菌叢や皮膚の細菌などなど)のバランスを崩す上、徒に耐性菌を発生させるリスクを高めるため、使用しないほうが良いと考えています。もし何らかの細菌感染を疑うような症状がある場合(例えば高熱と右下腹部痛と下痢・・虫垂炎を疑います)オンライン診療で診療を完結することは困難であり、病院・診療所受診が必要です。新型コロナウイルス感染症に基づくと思われる症状のみを呈する患者さんのオンライン診療では抗生物質は処方しません。

風邪に抗生物質を使わない理由 もご覧ください!

 

④味覚嗅覚障害を治してください。

→残念ながら味覚嗅覚障害に効果のある薬はありません。しかもその他のすべての症状が改善しても後遺症として味覚・嗅覚障害が残存している患者さんが多い印象です。

⑤解熱剤は飲みすぎないほうが良いですか?

→これは賛否両論あるようですが、私は基本的にカロナールなどの一般的な解熱剤は発熱があったり、それに伴う頭痛や節々の痛みがある限り1日3回程度使用することは何ら問題がないと考えています。高熱は体がウイルスと戦っている証拠・・という話題もありますが、むしろ高熱の持続による体力消耗の方が体調不良を長引かせる可能性もあると考えています。ただし、隔離解除の基準は解熱剤などを用いずに発熱がないことの確認が必要であるため、隔離解除の日程が近づいている場合は臨機応変に使用方法を選択する必要があるでしょう。

※インフルエンザの時などもそうですが、NSAIDsと呼ばれる種類の解熱剤(ロキソニンやイブプロフェン、ボルタレン等)は新型コロナウイルス感染症の患者さんには使用を避けています。

 

適宜追記していきます。

療養中の方も自粛疲れの方もここが頑張りどころです!みんなで感染拡大に歯止めがかかるよう生活していきましょう!

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