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12月23日記載 最近増えている発熱原因

実際の診療を通して、最近多い発熱原因を紹介します。感染拡大が止まらない新型コロナウイルスはもちろんですが、発熱の原因は他にもたくさんあります。

不安な症状がある方は、以下の症状も確認をしてみてください。 →発熱

溶連菌感染症など扁桃炎

→今シーズン患者数が増えている印象があります。38-40℃程度の高熱と強い喉の痛み(咽頭痛)が目立ちます。熱や咽頭痛のわりに鼻汁や咳の症状が乏しく喉を見ると扁桃腺が腫れ、時に白苔というベタっとした白い物質が付着してれば疑いが濃厚になってきます。

溶連菌という菌による感染であり、コロナのようなウイルス感染と異なり抗生物質の使用が可能です。院内で喉の拭液から迅速検査を行うことが可能です。高熱による消耗もあり、抗生剤が良く効く感染症であることから、日中の受診が望ましい疾患と言えます。

→溶連菌感染症

胃腸炎

→発熱に加え、嘔気、嘔吐や下痢症状が出現します。口から水分が摂れる場合、熱に対して解熱剤、腹痛に対して整腸剤、吐き気に対して吐気止めといった対症療法が主になります。受診については必須ではない場合もあります。水分摂取ができる場合は白湯などをこまめに摂取しつつ、様子を見ることは可能です。夜間に症状が出現した場合は必ずしも夜間救急を受診する必要はないため、翌日以降の受診を検討してください。

※感染性腸炎も多くは対症療法で改善が見込めます。ただし、特に生ガキによるノロウイルスや鳥さしなどによるカンピロバクター、サルモネラ腸炎は症状が激烈であり、点滴や時に入院加療を要する場合もあります。発熱に加え強い腹痛や下痢、嘔吐がある場合、特に十分な水分摂取が出来なければ早めの受診が望まれます。

虫垂炎/憩室炎

→発熱に加え下痢などの消化器症状が出現する場合、しっかりと否定しておきたいのが虫垂炎(盲腸)や憩室炎です。虫垂炎に関しては腹痛が徐々に右下腹部に限局してくるという特徴があります。特に虫垂炎に関しては外科的な(つまり手術)処置が必要になる場合もあるため、疑われる場合はCT検査など追加の検査が必要となります。抗生物質の飲み薬のみで改善する場合もありますが、内科受診による評価は必要な疾患です。

→虫垂炎

→憩室炎

感冒/急性上気道炎

→いわゆる風邪です。インフルエンザもコロナでもないありふれたウイルス感染はどんなに注意していても罹患することがあります。現在当院では1人もインフルエンザ患者さんを診断していませんが、風邪症状の方はたくさん来院されています。一般的な感冒であれば、解熱剤や喉の痛みに対するお薬、葛根湯などによる対症療法が治療のメインとなります。早めの加療が望ましいのは事実ですが、病院やクリニック受診が必須な疾患ではない場合も少なくありません。症状の重症度をみながら冷静に受診の有無を自己判断してください。

→風邪と抗菌薬

他にもリンパ節炎や尿路感染症など様々な原因で発熱を来たし、受診される方がいます。

新型コロナウイルス感染症が不安でもそれ以外にも重大な疾患はたくさんあります。発熱=新型コロナウイルス感染ではありません。まずは冷静に症状を確認し、適切な時間帯に適切な医療機関の受診をお願いします。以下のような症状があれば迷わず救急車を呼びましょう。それ以外の症状であれば今すぐの受診が必要か、総合病院受診が必要かを考えて日中のクリニック利用や発熱等診療予約センター、#7119の利用を検討してください。

発熱があり、救急搬送が必要な場合

*意識がない、悪い→話しかけても反応が鈍いなど

*痙攣している

*血圧が下がっている

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