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帯状疱疹 体験記

帯状疱疹、高齢者の病気だと思っていませんか?

若年時に感染した水痘(水ぼうそう)ウイルスが神経の根元に住み着き、体調不良や免疫力の低下を見計らって暴れだすのが帯状疱疹です。

残念ながら、2021年10月、院長も帯状疱疹になりました。

~体験記~

ある日突然右の太ももの裏に感じたことのない鈍痛を覚えました。坐骨神経痛かな、と思い放置してみたものの痛みは日増しに悪化していきます。しかもその痛みがどんどんふくらはぎに広がり、最後は足首、足の裏まで痛くなりました。元々左の坐骨神経痛はあったものの、右は体験がなく、何かな、それにしても痛いなぁと思っていました。痛みは例えようのない鈍痛であり、内側から筋肉を握られているようないやな痛みでした。特に夜間の安静時に痛みが強く(おそらく気になるため)足の置き場がなく、痛みで目が覚めるようになってしまいました。

この時点で医学知識を総動員して様々な疾患を考えました。

・下肢静脈血栓(エコノミークラス症候群)⇒足の静脈に血の塊ができて詰まる疾患です。片足のみ急激にむくんだりするとその可能性がありますが、特に両足とも見た目の変化はありませんでした。

・末梢動脈閉塞⇒動脈硬化を背景として足の動脈が詰まる疾患ですが。強い痛みに加え、片足が冷たくなったり色が悪くなったり、足背の動脈が触れにくくなったりします。もちろん足背動脈を触ってみましたが、しっかり脈拍を感じました。足先が冷たいのもいつものことです・・

・血管炎に伴う神経障害⇒自己免疫疾患の中でも血管にダメージが加わるのが血管炎という疾患です。神経に栄養を送る血管にダメージが加われば神経障害が出現するため、その可能性も考えました。ただし、血管炎の場合皮膚にも血管に沿った病変が見える(湿疹ができる等)こともあるため、見た目の変化が全くない時点であまり強くは疑わないか・・と考えていました。

この時帯状疱疹は全く考えていませんでした。

痛みが出てから約1週間、このまま放置してよいものか悩み始めたころとうとう水疱が出現しました。疼痛部に沿って最初は2粒、翌日に約4粒・・・ぽつぽつと水疱が出現したのです。

この時点で「帯状疱疹・・」と判断がつきました。

抗ウイルス薬を内服し、2~3日目にはほとんど痛みがなくなりました。足を内側から握られるような不快な痛み・・帯状疱疹の恐ろしさと患者さんの気持ちがよくわかる体験となりました。

 

今回の経験で学んだこととして

・帯状疱疹は高齢者の疾患ではない!⇒いくつかのデータを確認すると、0歳~49歳でも頻度は低いものの、一定の割合で帯状疱疹に罹患してることがわかりました。

・帯状疱疹はとにかく痛い疾患である!⇒水疱が出現する前に痛みがでたため、原因不明の強い疼痛として不安感が募りました。もし肋間神経痛のような形式であればより早期に帯状疱疹の可能性について思いを巡らせることが出来たとおもいますが、右の坐骨神経領域であり、すぐには原因として帯状疱疹を思い浮かべることが出来ませんでした。

・50歳になったら帯状疱疹の予防接種は受けておこう!⇒現在50歳以上の方は帯状疱疹予防の目的で水痘ウイルスに対するワクチンを接種することが可能です。(詳しくはこちらをご覧ください→)この痛みを再体験する可能性が減るのなら絶極的に受けたいワクチンであると感じました。

 

※今回の記事はあくまで院長の体験に基づく経過等を記載しています。帯状疱疹はその重症度や発症部位、発症範囲等によって経過、治療法、後遺症が全く異なります。実際に症状がある場合は内科・皮膚科でご相談ください。

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