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SYMPTOM

身体が黄色い~黄疸 原因と受診のタイミング~

顔が黄色い・・手の平が黄色い、眼球が黄色い、こういうことを自覚したり、他人に指摘されたりすると不安になりますよね。黄疸、おうだん、と読みます。文字通り身体が黄色っぽくなりますが、黄色人種の我々はやや気が付きにくいかもしれません。通常は血液中のビリルビン、という色素が増えると黄疸がおこります。原因は様々ですが、放置しないほうがよい症状です。早期受診をお勧めしますので、チェックリストをぜひ活用してください。

 

黄疸とは

血液の中のビリルビン、という物質の濃度が上昇したときに、眼球結膜(白目のところ)や粘膜、皮膚が黄色くなる状態を指します。

 

どんな時疑う?

やはり他人に指摘されて気が付くパターンが多いようです。白目が黄色くない?顔色が黄色い?といった具合です。尿にも排泄される物質なので、尿の色が濃くなった、と訴える方もいます。全く黄疸には気づかず、腹痛や皮膚掻痒感(皮膚がかゆい、ということ)で受診、診察室で医師が黄疸に気づいてびっくり→検査をするとやはりビリルビン高値、ということも少なからずあります。

 

メカニズム

興味がない方は読み飛ばしてください。

黄疸の原因となるビリルビンは血液成分である赤血球が酸素を運ぶときに必須となるヘモグロビンを形成するヘムという物質を体外に排泄する際に作られる分解代謝産物です。(複雑ですね・・)赤血球が古くなって、分解されるときに出るゴミの一種類、とかなりざっくりですが、そういう認識でよいです。ビリルビンは肝臓でいろいろな代謝受けて、最終的に胆汁(胆嚢から出る消化液)や一部尿から排出されます。したがってビリルビンの生成量が増えたり、適切に分解、排泄されないと体内に蓄積し、黄疸を来すことがあるわけです。

*ものすごく端折った説明です。生物学的な正しさを追求したい方は、ぜひビリルビン、代謝、などのKey wordで検索してみてください。

 

原因

複雑なビリルビンの生成、分解、排泄メカニズムですが、ここのどこかがおかしくなれば血液中のビリルビン濃度が上がってしまいます。

  • ビリルビンが作られすぎる

溶血、言葉は聞いたことがあるでしょうか。赤血球が本来の経路とはことなる形で分解、破壊されてしまう病態を指します。赤血球にはビリルビンの元になるヘムがたくさん含まれていますので、溶血によって過剰なヘムが出ると、その他代謝産物(代謝によってできる物質)の量も増えてしまう、という状態です。

溶血の原因は多岐にわたります。赤血球の遺伝子異常など、先天的(生まれた時からある)な原因から、薬剤性、自己免疫性などの後天的な原因もあります。

いずれにしても、血液検査で溶血を疑えばその後さまざまな検査が必要になりますし、

赤血球が破壊される=貧血が進む ということですから、黄疸以外にもいろいろな症状が出てくる可能性があります。

 

  • ビリルビンが排泄できない

体内で生成されたビリルビンがうまく排泄できない場合も、当然体内のビリルビン量は増えてしまい、黄疸の原因となることがあります。うまく排泄できない、原因としてはさらに

*肝臓の機能障害

*胆汁の流れ道が遮断される  の大きく二つに分けて考えることができます。

 

*肝臓の機能障害

肝炎(ウイルス性や薬剤性アルコール性)、さらに進行した肝硬変で肝細胞自体に障害があると、その細胞が本来担うビリルビンの排出回路がうまく回らないことになります。ほかにも比較的珍しい肝臓の疾患が原因でビリルビンが増加することがあり、これは受診、検査が必須です。

 

*胆汁の流れ道が遮断される

物理的に胆汁が腸の中に出ていかない状態です。胆汁は胆嚢、という袋に貯まると→食事の時に胆嚢が収縮、腸管(十二指腸)へ排出されます。この流れが例えば胆石や胆管癌で遮断されると、せっかく作ったビリルビンが胆汁として適切に排出されなくなり黄疸を来すことがあります。

 

チェックリスト

□白目が黄色い→黄疸です 受診を

*ミカンなどを食べすぎて皮膚が黄色くなる柑皮症(かんぴしょう)という状態があります。ビリルビンではなく、カロテンの過剰摂取で起こりますが、この場合白目は白いままです。

黄疸だけではあまり自覚症状がないことも多いですが、御家族や知人に指摘される場合も一度は検査を受けておくと安心です。

受診時メモ

□いつから黄疸に気づきましたか?または指摘されましたか?

□ご家族に同様の症状の方はいますか? →遺伝性疾患の鑑別です。

□肝炎ウイルスの検査やワクチンをしたことがありますか?

□最近海外渡航をしたことがありますか?

□最近生の肉や魚介を摂取しましたか?

□アルコールを飲みますか? どのくらいの量を、毎日?週〇回?

→最近飲酒量は増えましたか?

□内服薬 いつから、何の薬を飲んでいますか?

最近新たに始めた薬やサプリはありますか?

□他の症状はありますか?

皮膚のかゆみ体重の変化腹痛、息切れ、動悸、発熱 など

 

まとめ

黄疸、決してよくある症状ではありませんがもし見つかれば、まず受診が必要な症状の一つです。血液中のビリルビンは通常1mg/dL以下ですが、2.0mg/dLを超えると目で見てわかる黄疸が出てきます。上級医にはビリルビンが3.0mg/dL超えていたら他の症状なくても入院でいいよ~と言われたことがあります。専門家は消化器内科の医師ですが、最初の血液検査などはクリニックでも十分可能なことが多いです。また、必要時にはすぐに大きな病院に紹介してもらう必要があります。ぜひ自分やご家族、友人知人の白目に着目、黄色いなぁと思ったら指摘して、受診につなげましょう。

 

ソージュ山下町内科クリニック

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