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粉瘤”ふんりゅう” 皮膚の腫れ、しこりの原因となります
内科のクリニックなのに粉瘤!?と思われる方もいるかもしれませんが、リンパ節の腫れだと思った、炎症を起こして痛い!などで粉瘤、炎症性粉瘤で来院される方は実は結構多いのです!クリニックでは特に炎症を起こしてしまっている場合、必要に応じて針を刺して膿や内容物を出し抗生物質の処方をするなどして対応し、根治治療のためには後日、皮膚科や形成外科の受診をお願いしています。
今回は粉瘤についてご紹介します。
□原因は?
□治療は?
□予防は?
□最後に
粉瘤、ふんりゅうと読みます。非常によく見る皮膚の疾患で、何らかの理由により皮膚にその表面が表皮と同じ成分の袋状の構造物ができてしまい、袋の中に徐々に表皮の新陳代謝で脱落した角質や皮脂がたまって大きく膨れてしまったものです。良性の皮膚腫瘍であり、アテローム、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれます。粉瘤そのものが悪さをしたり癌化することはありませんが、場所によっては目立ったり、違和感に繋がるため、受診される方も多いです。
さらにそこから細菌が侵入して化膿してしまうと粉瘤の中に膿が溜まって炎症を起こし、患部が腫れたり赤くなったり、強い痛みを引き起こすこともあります(炎症性粉瘤)。この場合は早めの対処が必要です。
粉瘤自体は表皮の袋が皮下にできてしまい、その表皮からでる皮脂や角質が溜まり、徐々に腫れることが原因です。
一方で、何故一部の表皮が皮下に袋を作ってしまうか、その原因は不明です。
見た目、違和感が問題になる粉瘤は、気にならない場所、サイズ感であればとりあえず放置したからと言って大きな問題はありません。時には自然に消えることもあるようです。
しかし、この粉瘤の中にある角質や皮脂の部分に細菌が侵入し、炎症を起こしてしまうと話が変わってきます。栄養豊富な物質が溜まっており、温度もちょうどいい、となればそこは細菌にとってはとても住みやすい環境です。血管が通っていないため、免疫を担う白血球などもすぐには到着できません。こうなると最近はどんどん増え、炎症性粉瘤となってしまいます。炎症を起こすと周囲の皮膚に腫れ、発赤、圧痛が生じ、時には膿が出てくることもあります(排膿)。早めの対処が必要な病態です。
粉瘤の治療は皮膚科または形成外科で外科的に皮下の袋を取ってしまうことが根治的な治療となります。くりぬき法と袋自体を取り出す小切開手術がありますが、後者の方が術後の再発が少なく、勧められているようです。(内科では実施しません/できません)
炎症性粉瘤の場合、すぐに上記のような手術をすることは出来ません。まずは炎症を抑えることが必要であり、一旦針による穿刺や切開で膿を出し、抗生物質の内服によって感染、炎症を鎮めてから対処(切除やくりぬき法による粉瘤自体の除去)することが必要になります。
粉瘤自体に予防法はありません。放置すると大きくなってしまったり、炎症性粉瘤となると対処が大変になったりするため、気になる皮膚の下の腫瘤を見つけた場合は早めに皮膚科または形成外科を受診することが重要です。
内科では根治療法である切除術やくりぬき法は通常は実施しません。一方で見れば粉瘤とわかるかと思いますので、内科受診の際に相談をして、皮膚科、形成外科受診の助言をもらうことは出来るかもしれません。
内科クリニックの疾患ではないものの、ちょくちょくご相談を受ける粉瘤。
それ自体の治療は皮膚科、形成外科の受診が必要ですが、よくわからないけど心配!という場合は普段の内科受診の時に相談してみるのも手かもしれません。また、炎症を起こしてしまって痛い!熱が出た!という場合は取り急ぎ内科でも対応できる場合があります。炎症性粉瘤となってしまった場合、放置が一番よくありませんので、早めに受診を検討して下さい。