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インフルエンザ 治療薬 飲み薬?点滴?吸入?

横浜市のインフルエンザ感染症情報が出ています。 →横浜市感染症情報(PDF)

どんどん患者数が増えていることがわかります。

特にグラフを見ると例年より早く患者数が増加していることがよくわかります。

ほとんどがA型、やはり小児~若年者に多いというのは変わらない状況です。

年末年始にピークという話題も出ています(ピークが速く訪れるのか、例年と同じタイミングでピークが訪れ、もっと患者数が増えてしまうのか現段階では不明ですが・・・)

また、区ごとに発生率に差があるのも興味深いところです。

クリニックがある中区は現時点で患者数は最低水準・・ここから増えていくことが予想されます。

 

さて今回はインフルエンザの治療薬についてです。

インフルエンザは一見風邪と見分けがつきづらい熱性疾患です。風邪に比べ熱が高いことが多く、咳や痰、鼻水などの呼吸器の症状より全身の倦怠感や関節痛、筋肉痛を訴える患者さんが多い、という違いはありますが、クリアにインフルエンザとそれ以外のいわゆる”風邪”を見分けることは難しいのが現状です。

しかし、多くの風邪が風邪薬で治療する一方、インフルエンザの場合特に発症48時間以内であれば抗インフルエンザ薬と呼ばれる、インフルエンザにターゲットを絞った加療ができるのが特徴です。

したがって、まずは熱など体調不良で来院された患者さんは喉の奥に綿棒を入れて行うインフルエンザの迅速検査でインフルエンザにかかっているかを調べることが必要です。

インフルエンザ検査の紹介

そしてインフルエンザ陽性であれば、抗インフルエンザ薬による加療を検討することになります。

もちろん100%インフルエンザを検出できるわけではありませんので、検査が陰性であっても症状がそれらしく、例えば家庭内や学校、職場で明らかなインフルエンザ患者さんとの接触歴があればインフルエンザとして治療を行うこともあります。この辺りは医師の匙加減によるところもあり・・こういうもの!と断定することが難しいです。

インフルエンザの治療薬はいろいろなメカニズムでウイルスの増殖を抑え、効果を発揮します。

飲み薬に加え、1回で済む点滴、吸入薬もあり、治療の選択肢が広がっています。

飲み薬:タミフル 1日2回 5日間

ゾフルーザ 1回

吸入薬;イナビル 1回

リレンザ 1日2回 5日間

点滴;ラピアクタ 1回

当院では体調が悪く、脱水なども合併している場合、点滴による加療を行うことが多いです。イナビルという吸入薬はネブライザーを用いて院内で薬を吸っていただく、という治療方法もできるようになっており、今後利用が見込まれます。

薬局でお薬を受け取れるように処方する場合は患者さんに合わせ飲み薬か吸入薬を処方することになりますが、1回で済む薬と5日間使用し続けなければいけない薬、となるとどうしても1回で済む薬が使いやすいのが現状です。

*処方だけしても、しっかり内服や吸入をして体内に薬が入らなければ意味がありませんし、5日間毎日薬を使用する、というのは特に薬に慣れていない若い方では煩雑に思う方も多いのが現実です。

まずはインフルエンザにならないよう、免疫力が低下するような食生活・睡眠不足などを避けましょう!

それでも時に避けがたいのがインフルエンザですが、是非早期受診、早期発見、早期治療が重症化を防ぐキーです。

心配な場合は是非近くのクリニックでご相談ください。

 

〇インフルエンザ薬で特に子供の異常行動が報道されていますが大丈夫ですか?

→抗インフルエンザ薬そのものが異常行動を引き起こしている、ということは証明されていません。インフルエンザ自体が脳に影響を及ぼしうる病気である点、高熱による異常行動の可能性がある点から、抗インフルエンザ薬が異常行動を引き起こしているわけではなく、薬の使用の有無にかかわらず、インフルエンザ罹患時は異常行動に注意するよう発表がなされています。2007年以降原則中止されていたタミフルの10代への投与も2018年再び認められるようになっています。

 

〇元気な人でも抗インフルエンザ薬の投与が必要ですか?

→すべての薬には副作用の可能性がありますので、基本的に”不要なら薬は使わない”というのが原則であると考えています。しかし、ことインフルエンザに関しては健康な成人であっても時に脳症など重篤な経過をたどる可能性があり、発症時点でその可能性(この人は重篤化する!)が判断できないことを踏まえると、検査で陽性で症状があれば基本的には抗インフルエンザ薬を使用することが認められると考えています。また、検査が陰性であっても明らかにインフルエンザ患者さんと接触があったり、基礎疾患があって悪化する可能性が高い方は抗インフルエンザ薬の使用を検討することもあります。メリット、デメリットについてお話し、方針を決めますので、心配な方はご相談いただければと思います。

→詳しすぎますが、日本感染症学会も提言を出しています。

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