新型コロナウイルスに対するワクチン接種が本格化してきました。

当院でもお知らせに掲載した通り、接種券をお持ちの方から順次ご案内を開始しましたが、すでに相当数のお問合せをいただき、中々すべての皆様の要望には応えきれない状況です。ご迷惑をおかけしますが、当院でできる最大規模での接種は進めて参りますので、ご理解の程よろしくお願い致します。

さて、ワクチンに関して様々な情報が入り乱れているのが現状です。

以下現時点で分かっていることを記載します。基本的に打つか打たないかは各個人の価値判断によると思っています。適切な情報をもとにご自身で判断いただければと思います。

⇒厚生労働省「ワクチンナビ」

⇒横浜市「新型コロナワクチン特設ページ」

※クリニックでよくいただく質問についてはこちらをご覧ください

①クリニックで使用するワクチンについて

⇒クリニックでは横浜市から提供されるファイザー・ビオンテック社のコミナティといワクチンを使用しています。

mRNAワクチンの１種です。

②mRNAワクチンについて

⇒詳細は各専門ページをご覧ください。

簡単にメカニズムを示します。風疹や麻疹、水ぼうそうなどのワクチンでは弱毒化したウイルスそのものを体内に入れ（皮下注射）、体内で免疫を担う細胞を作ります。一方、mRNAワクチンの場合、新型コロナウイルスの遺伝情報を持ったmRNA（DNAに似たものです）のみを体内に投与（筋肉注射）し、我々自身の細胞内でその遺伝情報に基づいたたんぱく質を作ります。身体にとってそのたんぱく質は「異物」であるため、そのたんぱく質に対して免疫が誘導されます。

これらのメカニズムを考えると以下の点を確認しておく必要があります。

＊ワクチン接種によって新型コロナウイルス感染症を発症する可能性はない⇒もちろんワクチン接種と同タイミングで誰かからウイルスをもらってしまえばワクチンを打った数日後に新型コロナ感染症を発症する可能性はありますが、ワクチンによってウイルスが体内に入ることは全くありません。

＊免疫抑制剤を用いている方は免疫の誘導が抑えられ、効果が出づらい可能性がある⇒これはどのワクチンに対しても言える事象です

③副作用について

全ての医療処置に言えることですが、体内に異物が入る以上、何らかの悪影響が出る可能性は誰にでもあります。

以下、確認されている副作用と頻度を確認します。

	5％以上	1％〜5％未満	1％未満
局所症状 （注射部）	疼痛（84.3％）、腫脹（10.6％） 発赤・紅斑		そう痒感、熱感、 内出血、浮腫
精神神経系	頭痛（55.1％）		浮動性めまい、嗜眠、不眠症、顔面麻痺
消化器	下痢（15.5％）	嘔吐、悪心	食欲減退
呼吸器			口腔咽頭痛、鼻閉
筋・骨格系	筋肉痛（37.9％）、関節痛（23.7％）		四肢痛、背部痛
皮膚			多汗症、発疹、寝汗
血液			リンパ節症
その他	疲労（62.9％）、悪寒（32.4％）、発熱（14.8％）	疼痛	倦怠感、無力症、インフルエンザ様症状