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食事、栄養 Q&A 

もっとも身近で健康状態にも影響の大きい「食」。

その重要性に疑いはありませんが、一方でこれほど個人差や選択肢があり、こうすれば完璧!という答えのない分野もないのでは、というほど難しく感じています。

毎日スナック菓子、ジャンクフードだけ食べる、酒ばかりで食事をまともに摂らない、ダイエットでこんにゃくばかり・・こういう食事が身体に悪いのは一目瞭然です。一方で日々の食事に関しては外食が多い人、ほぼ自炊の人、コンビニが多い人、様々なスタイルがありますし、食事時間に関しても朝抜き、帰宅後の遅い時間の食事、間食の回数など選択肢は無数にあります。

その中で“絶対こうすればいい!”を見つけ出すことは不可能であり、ブログでも今まで食事に関しては手を出さずにスルーしてきました・・・しかし、やはり健康に関して語る上で食を避けては通れません。そこで、絶対こうすべき、というような断定的な話ではなく、こうしてみたらいいのでは?という提案をクリニックの方針として統一してみよう、と考えました。

ライフスタイル、年齢、価値観、究極大人が自己判断で好きな物を好きなだけ食べることは全く問題ないとは思っています。しかし、こういう時はどうでしょう?と質問があれば、私たちはこのように返答します、という内容を御紹介します。

 

朝食は食べた方がいいか?

毎日3食しっかり食べた方がいいか?

食事内容はどのようにすべきか

炭水化物抜きダイエットについて

サプリの使用について

肉と魚ならどちらがいいか

野菜は食べなければだめか

飲酒はしてもよいか

 

朝食は食べた方がいいか?

答:良いと思います 基本的に朝ごはんは是非食べて頂きたい食事です 

朝ごはんは1日のリズムを作る上でも、日中のエネルギー源を確保する上でも非常に重要な食事です。

体内時計の乱れは様々な病気の原因となることが近年知られていますが、朝しっかり朝日(明るい光)を浴び、朝の食事で身体を起こすことはこの体内時計を1日ごとにリセットし調節するために非常に効果があることが知られています。また、もし朝ごはんを抜いてしまうと前日の夜から昼までエネルギーの供給がないことになり、午前中のパフォーマンスが下がる原因となります。朝ごはんは多少無理をして時間を確保してでも摂取が好ましいと言えるでしょう。

朝ごはんの内容としては、適度に血糖値が上がるような炭水化物と魚の油がいい、とも言われますので、古き良き和食の朝ごはんは最高の食事です。ただ、毎朝そんな準備が出来る人は少ないと思いますし(自分も無理ですし)、まずは朝ごはんを意識して摂取する、ということでいいかと思います。

※個人的にはヨーグルト、コーヒー、20gのたんぱく質が摂取できるプロテインと時々オートミール30g、というのが朝のルーチン化した食事です。コーヒーをドリップするのが一番時間がかかりますが、それでも準備時間は数分です。

 

毎日3食しっかり食べた方がいいか?

答:朝≧昼>夜の比で3食バランスよく食べるのが好ましいです

食事には生活のリズムを整える作用もあります。ライフスタイルによって食事が出来るタイミングは異なりますが、多く方において、1日3回の食事でメリハリのある生活を送ることが(長期的な視点に立っても)よいと考えられます。朝昼をほとんど食べず、帰宅後の夕食をドカ食いしてしまうことは血糖値の変動だけでなく、胃腸の具合や睡眠の観点からもおすすめはしづらいものです。朝、昼にしっかり食べつつ夜は軽めの食事にする、というのがよさそうです。

※個人的にはマイルド炭水化物制限を実施しており、夜だけは炭水化物を抜いた食事をしていますが、以前より体調は良いように感じています。

 

食事内容はどのようにすべきか

→答:炭水化物、脂質、タンパク質、野菜類をバランスよく摂りましょう

これは正答がない問いです。できるだけバランスよく!としか言いようがないのですが、

まず、身体に良さそうだからと一つの製品、食材ばかり食べる「ばっかり食べ」は避けましょう。炭水化物(米、パン、麺類)、タンパク質(肉魚豆類)、野菜を適度にとりつつ、基本食事は満腹までせず、腹8分目くらいに抑えておくのが一番手っ取り早い健康への道であるようです。

※一日の摂取目安量は手測り法が簡単でわかり易いかと思います

※コンビニの場合はカロリーやタンパク量、食塩相当量などを確認する癖をつけてみましょう!

 

炭水化物抜きダイエットについて

→答:完全に抜くのはおすすめしません

この食材が善、悪、という二元論的な議論はキャッチ―でわかり易いのですが、本当にそんな食材があるのか・・・なんでも食べすぎれば身体には毒になります。量と質を考えれば、アレルギーなどの体質的問題がない限り完全除去食は“やりすぎ”であると思います。

もちろん炭水化物はカロリーが多くなったり、糖尿病の場合はコントロールを悪化させたりするため摂り過ぎはよくありません。白米を玄米に変えたり、朝昼は炭水化物あり、夜は炭水化物なし、などのマイルド制限でも十分体重管理はできますし、糖質の摂り過ぎも防ぐことが出来ます。また、炭水化物抜きダイエットをしていると身体が炭水化物への対応を“忘れ”てしまい、たまに炭水化物や甘いものを摂取するとインスリンの分泌が不十分となりむしろ一気に高血糖になる(耐糖能の低下=血糖値を適切にコントロールする能力の低下)など副作用もあります。何事も過ぎたるは猶及ばざるが如し、です。

 

サプリの使用について

→答:医療者としておすすめはしづらいですが、ご自身でしっかり情報を見て、よいと思えば摂取していただけばいいのでは?と考えております

極めて歯切れが悪い返答になってしまいましたが、サプリの多くは毒にも薬にもならないため売られている、というのは間違いない事実です。(毒なら売れませんし、薬なら薬の枠組みで売られるはずだからです。)紅麹問題のように良かれと思ったサプリが悪さをすることもありますし、例えばビタミンもA,D,E,Kに関しては過剰症(摂取しすぎで病気になる!)があります。海外の“怪しい”サプリに関してはそもそもサプリに入れてはいけないような成分やステロイドなどが含まれている場合もあるようです。ご自身の判断力を信じて、しっかりパッケージを読んで、価格とも相談をして賢い選択をお願いします。

肉と魚ならどちらがいいか

→答:いわゆる赤身肉(牛、豚)の悪者説は根深いものがあります。実際脂身の多い赤身肉の摂取はコレステロール値を上げるなど身体への悪影響も知られています。一方魚は魚の油がむしろコレステロールを下げる方向に働く、タンパク質が多く、脂質が少ないなどメリットが多い食材です。なので日々の生活では肉魚で悩んだら魚にしてみて下さい、と患者さんにはお伝えしています。

ただ、食事というのは健康のためだけに食べているわけではありませんし、美味しいものを友人や家族と時間を共にしながら味わうことはそれが肉でも魚でも絶対に“身体に良い時間”であるでしょう。旨いものが食べたいときはカルビでもサーロインステーキでもトンテキでも、好きな物を食べていいと思います。

 

野菜は食べなければだめか

→答:是非食べましょう!

野菜にはミネラルやビタミン、食物繊維など他の食材でまかないきれない栄養素がたくさん含まれています。しかもカサ増し作用もあるので、その他の食材の食べ過ぎを防いだり、血糖値の上昇を緩やかにしてくれるなど良いことずくめです。緑黄色野菜と淡色野菜、果物をバランスよく摂取することが必要です。

目安;緑黄色野菜と淡色野菜を概ね2:1の割合で1日350gが推奨されています!

 

飲酒はしてもよいか

→答:過度でなければ・・・楽しい食事の御供として否定はしません!

飲酒に関してはそもそも飲酒をしない人にとっては「飲まなければいいだけでは!?」という話だと思うのですが、やはり人類の歴史に常に酒があったように、酒もひとつの文化であり、生活に彩を与えてくれる大切な嗜好品です(酒好きの個人的な意見です)。お酒のデメリットは挙げればきりがありません。酩酊して他者に迷惑をかけたり怪我の原因になることもありますし、飲酒自体が肝障害、高尿酸血症、脂質異常症、糖尿病などあらゆる疾患に悪い影響を与えます。また、アルコール依存症になってしまえばアルコールに生活を支配され、他者との関係性も悪化し、普通の生活が出来なくなることもしばしばあります。よって、アルコールとは絶対に“上手く付き合う”ことが重要です。

以下の点に留意して適度の飲酒で健康を害さないようにしましょう!

◆1日の摂取量を基準値以下にする

→純アルコールで男性40g/日、女性20g/日とされていますが当然個人差もあります。

純アルコール20gは5%のビールなら500ml、7%の酒なら350ml、14%の日本酒なら1合(180ml)程度です。少なめですね・・

◆最低でも週2日は休肝日を設ける

※以下はお酒好きの人間としての意見ですが

◆「酔うため」には飲まない→現実逃避のためにお酒に頼るのはNGです。飲んでも現実は何も変わりません。問題を解決してから達成感のあるお酒を飲む方が心身ともに良いでしょう。

◆お酒を飲む時は作り手さんに感謝する→これも飲み過ぎ防止に役立つマインドです。作り手さんの想いのこもった作品を雑に飲むわけにはいかなくなります。飲み手としても大人の嗜み方をして作り手さん、酒そのものにリスペクトを示す必要があります。ゆっくり味わって楽しもう!という気持ちになりませんか!?

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