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コロナウイルス抗体検査について(詳細バージョン)

新型コロナウイルス感染症・・さらに3週間の自粛生活が必要ということで、日本中、世界中の人が不自由な生活を強いられています。

見えない”新型ウイルス”という敵に対して、絶対的な予防法もなく不安な毎日を送られている方も多く、外出機会の減少もあり身体的、精神的なストレスの蓄積を心配しています。

眠れない、なんとなく体調が悪いなど、不安なことがあれば、躊躇せずにクリニックに電話相談や受診も検討してください。

さて、今日は最近検査が始まった新型コロナウイルス感染症の抗体検査について、その狙いなどを簡単に示したいと思います。

専門的な記載は省いていますので、ぜひ感覚的に理解してください。もっと細かいことが知りたい方は、近日詳細についても記事をUpする予定です。

→もっともっと簡潔に!という方はこちらもご覧ください。 (抗体検査~難しいことは一切省いて解説してみました~)

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抗体とは?

感染症にかからない、かかっても重症化を防ぐ、そのために行うのがワクチン(予防接種)です。毎年、猛威を振るうインフルエンザの予防接種もその代表です。

日々生活をしている中で、自分の体内に侵入した病原体に対して、私たちの体は抗体というもの(たんぱく質)を産生しその病原体を排除しようとします。そして、2回目以降にその病原体が体内に侵入したとき、素早く反応できる(対抗できる)免疫をつかさどるのがこの抗体です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し専門的になりますが、抗体はB細胞という免疫細胞が産生するたんぱく質で、人間には5種類の抗体があります。抗体はイムノグロブリン(Ig)と表しますので、5つの抗体はIgA、IgM、IgG、IgE、IgD、と称します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここから重要!

この中で、初めて出会った病原体に対して最初に免疫細胞が作るのがIgMという抗体です。そして、しばらくするとIgGという抗体が作られるようになります。

よって、特定の病原体に対するIgMとIgGを調べることで、最近その病気にかかったのか、以前にその病気にかかりすでにIgGまで作られているのか、などを判断することができるのです。

 

さて、最近新型コロナウイルスに対してこの抗体検査ができるようになりました。数社からその検査キットが出されています。新型のコロナウイルスに対するIgM、IgGの有無を調べることで、実はコロナウイルスに感染したことがあるのか、すでに免疫が作られているのか、を判断することができます。

もちろんまだまだこの抗体検査の結果の解釈については研究、知見の積み重ねが必要ですが、一方で、今後段階的に社会活動を再開するためには、すでに抗体があるかを判断しておくことは一定の意義があると考えています。

当院でも近日中に抗体検査ができるように体制を整えたいと考えています。

(体制が整い次第HPで検査予約方法などをご連絡します)

ただし、以下の注意点は十分にご理解いただきたいと思います。

抗体がある=コロナウイルスにかからない ではない!

→インフルエンザワクチン接種後にインフルエンザになる方もいます。したがって、抗体があるからと言ってその感染症にかからない!と断言することはできません。ただし、抗体陽性の場合、重症化しづらいなど、一定のメリットはあります。

そもそも検査の正確性には限度がある!

→全ての医学検査にはその正確性に限界があります。感度や特異度という数値で表されます。抗体陽性、という判定結果でも100%陽性とは言えず、また陰性、という結果でも100%抗体がないとは言い切れないのです。

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