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- 救急外来 備忘録(医療関係者向け)
緊張性気胸
緊張性気胸、クリニックなどではほぼ見ない疾患ですが、ショック、心停止の原因となりうる、緊急の処置を要する疾患です。適切な処置で救命可能であり、常に頭の片隅に置いておきたいと考えています。
緊張性気胸、英語ではTension Pneumothoraxです。病態としては気胸や外傷で胸腔に漏れた空気が排出口がないためどんどん胸腔内に貯留し、縦隔を圧排⇒静脈還流が減少し⇒低血圧や心停止に至る、理解はしやすい病気であると思います。
しかも治療は溜まったAirの除去=圧排の解除であり、そこも病態から考え、ストレートな関係性です。
診断は基本的に臨床所見から行います。(ただし少し余裕があれば胸部Xpにより診断を確定し⇒処置に入ることが多いです。)
症状、所見)呼吸苦、酸素化不良、経静脈怒張、低血圧
片側性の呼吸音の消失および打診での過共鳴音
治療)緊急脱気+胸腔ドレナージ
以下治療を簡単に示しておきます。
・緊急脱気;仰臥位で第2肋間鎖骨中線上を14~18Gのサーフロで穿刺します。基本的に時間的余裕がないことが多い処置ですが、消毒後シリンジを装着した留置針を、肋骨上縁に沿ってゆっくりと穿刺、針を進めながら脱気を確認します。
・胸腔ドレナーン留置
⇒別ページに記載