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新型コロナウイルス対策について
感染が拡大している新型コロナウイルス感染症につきまして、院内でも質問していただくことが増えました。
まだまだ不明点も多い新興感染症ですが、現段階でわかっていることと当院での対応についてお知らせします。
*クリニックでコロナウイルスの検査ができますか?
→できません。 保健所を通じて指示を仰ぎ、実際の検体(痰や血液など)は地方衛生研究所または国立感染症研究所で検査することになります。
*予防法はありますか?
→現段階で確実な予防法はありませんが、感染経路は〝接触・飛沫感染″という事なので、インフルエンザウイルス感染症と同様に一般的な感染対策をしっかりすることが今は重要です。
新型コロナウイルスは、はしか(麻疹)や結核のように”空気感染”する、という情報は現段階ではありません。
接触感染や飛沫感染の一番の感染予防・対応策は、外出前後に石鹸を用いしっかり流水する手洗い、こまめなうがい、外出時のマスク着用が重要です。また、手指のアルコール消毒や環境面の次亜塩素酸消毒(ハイターやミルトンなど)は有用なことが分かっています。
他、疲労や睡眠不足、ストレスなどで免疫力が落ちている状態も感染リスクとなりますので、しっかりと休養や休息、栄養バランスの良い食生活を心掛け健康な状態を維持していくことも感染予防にとって大切です。
【感染経路の種類について】
①空気感染:微生物を含む5μm以下の感染核が、長時間空中を浮遊し空気の流れによって広範囲に拡散し、その飛沫核を吸い込むことで感染する。
(感染している者が咳やくしゃみ、会話などで放出した飛沫から水分が蒸発し、飛沫核となる。例えば同じ車両に乗っていた、というだけで感染する可能性があります)
空気感染する主な感染症:結核、麻疹、水痘(帯状疱疹)など
②飛沫感染:感染している者が咳やくしゃみ、会話などで放出した微生物を含む5μmより大きい飛沫が、感受性のある人の口腔粘膜、鼻粘膜、結膜などの粘膜に付着することによって感染する。約1-2ⅿの範囲内で患者さんと接触をすると感染の可能性がある。
飛沫感染する主な感染症:百日咳、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、風疹、流行性耳下腺炎、喉頭ジフテリア、髄膜炎菌肺炎など
③接触感染:直接接触感染(感染者から微生物が直接伝播する)と間接接触感染(微生物に汚染した物や人を介して伝播、適切に手指衛生を行わなかった手や手袋など)
接触感染する病原体・感染症:ロタウイルスやノロウイルスなどによる感染性胃腸炎、疥癬、流行性角結膜炎など。医療機関内では薬剤耐性菌(MRSA、MDRP、VRE、ESBL産生菌など)
*治療法はありますか?
→コロナウイルスへの特効薬はありません。一般的な肺炎に対する対応+感染拡大防止、が重要になります。クリニックでは対応しきれない場合が想定されますので、疑う場合は総合病院へ紹介することになります。
*そもそもいつ新型コロナウイルス感染を疑いますか?
→感染が拡大してきており、暫定的な対応となりますが、厚生労働省発表の資料では以下を新型コロナウイルス感染の疑い例として挙げています。
《新型コロナウイルス感染症の疑い例の定義》
以下のⅠおよびⅡを満たす場合を「疑い例」とする。
Ⅰ、 発熱(37.5度以上) かつ 呼吸器症状を有している。
Ⅱ 、発症から2週間以内に、以下の(ア)(イ)(ウ)の曝露歴のいずれかを満たす。
(ア)武漢市への渡航歴がある。
(イ)「武漢市への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人」との接触歴がある。
(ウ)新型コロナウイルスの患者(確定例)、またはその疑いがある患者と必要な予防策なしで2メートル以内での接触歴がある。
初期には一般的な風邪と見分けがつかないことが予想される新型コロナウイルス感染症ですが、クリニックでも慎重に対応すべく情報を注視しています。
現段階で日本国内でどんどん感染が拡大している、という事実はなさそうです。過剰な心配をせず、肺炎症状がある等心配な場合は医療機関や保健所への問い合わせを検討してください。
当院でも念のため発熱や咳、肺炎症状のある患者さんには海外渡航歴等を確認させていただいております。マスク着用や咳エチケットの励行に併せ、ご協力よろしくお願いいたします。
*厚生労働省 新型コロナウイルスQ&A
*国立感染症研究所 新型コロナウイルス関連ページ