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SYMPTOM

のどの痛みと高熱・・~溶連菌感染~

溶連菌 ようれんきん と読みます。ひどい喉の痛み、高熱、その割に鼻水や咳など喉以外の症状が乏しい、という場合に疑う細菌による感染症の一つです。

元々小児に多い疾患ですが、当院では大人でもすでに複数人の患者さんが発生しています。

”風邪に抗生物質はいりません!”というのは間違いありませんが、一見風邪に似た溶連菌感染症の場合は敵が細菌であるため、抗生物質による加療が必要となります。

※ほとんどの風邪はウイルス感染です!

溶連菌感染について確認しましょう

 溶連菌という菌について 

溶連菌はA群溶血性レンサ球菌を短縮した呼び名です。A群がある・・ということはご想像の通りB群などもありますが、人に感染をして症状を起こすのはA群、さらに細かく分けるとA群β溶血性連鎖球菌です。”連鎖”も見た目を表す呼び名で丸い菌が鎖のように連なって存在するため、連鎖球菌と呼ばれます。(その他、別の菌ですがブドウ球菌も見た目でブドウのように集まっていることからそのように呼ばれます。)

 溶連菌感染を疑う症状

菌は体のどこにでも感染しうるため、溶連菌の場合、急性の咽頭炎だけでなく膿痂疹(とびひ)、蜂巣織炎(皮膚の炎症)、猩紅熱、中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎などを起こすこともあります。ただし、最も頻繁にみられるのはやはり咽頭炎です。

咽頭炎の場合、突然の高熱、ひどい咽頭痛(喉のいたみ、嚥下時痛も伴う)、倦怠感で発症します。

診察で見ると、喉は真っ赤、浮腫(むくみ)状に腫れていることが多く、白苔という白いものがべたっと喉に張り付いていることも多いです。また、熱のわりに鼻水や咳など、ほかの”風邪症状”が乏しく、のどばかりに症状が限局しているのも特徴的です。

 検査

発熱、咽頭痛、のどが真っ赤に腫れており、白いものが付着している・・となると溶連菌感染を疑うことになります。その場合クリニックでも迅速の検査が可能です。

喉の粘膜を綿棒でこすり取ってキットを用いた検査を行います。約5分程度で結果が出ます。

 

 治療

解熱剤やのどの痛みに対する対症療法を行います。さらに、ほかの”風邪”と異なる点として、冒頭に書いた通り、溶連菌は“細菌”による感染症であることから抗生物質による加療が必要となります。当院ではサワシリン(アモキシシリン)という抗生剤を10日間で処方することが多いです。ただし、この抗生剤にアレルギーがある場合、別の薬で対応する必要があります。(エリスロマイシンなど)10日間という治療期間は長く感じるかもしれませんが、しっかりと除菌するために必要な治療期間ですので、熱が下がって症状が改善していても、基本的に抗生物質は飲み切ることをお願いしています。

 予防

溶連菌を予防するワクチンはありません。患者さんの唾液など菌を含んだものを触れた手からドアノブなどを介して広がる接触感染をきたしますので、患者さんがいる場合は手洗いを励行することが大切です。

 

*溶連菌感染の後に稀ですが血尿をきたすことがあります。急性糸球体腎炎という腎臓の病気が続発することがあるため、その場合は熱やのどの症状が改善していても早期の受診が必要です!

 

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