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心筋梗塞 ~胸の痛みは放置しない!~

心筋梗塞、名前を聞いたことがない、という人はいないくらいメジャーな疾患です。心臓発作、といわれることもあります、医学的には急性心筋梗塞が正しい病名です。

数々の救急疾患の中でも一般の認知度が高く、命に係わる疾患、というイメージが先行しますが、実はちょっと胸が痛いだけ、など症状がほとんどわからない人もいたり、文字通り発作のように急死する人がいたり、いろいろな発症形式があります。

心筋梗塞とはどんな病気なのか、防ぐ手立てはあるのか、あるなら何ができるのか、順番に確認しましょう。

急性心筋梗塞とは

急性心筋梗塞、急性、とわざわざ言うのは、病気になったまさにその時、ということを示すためです。かつて心筋梗塞をやって、幸い今も元気、という場合には陳旧性心筋梗塞、という病名が付くことになります。

AMI Acute Myocardial Infarction

OMI Old Myocardial Infarction

心臓はそのほとんどが心筋、という筋肉でできた臓器です。その心筋が連動をして動き、拡張→収縮を繰り返すことで血液を引き込み(拡張)押し出す(収縮)ポンプ作業が繰り返されます。こうして全身に血が巡り、私たちは生きていくことができます。

その心臓の筋肉に栄養を送るのが、冠動脈という血管です。そしてこの血管が詰まると、血管から栄養の届かない心筋がダメージを受け、動くことができなくなります。詰まる血管によってそのダメージの範囲も部位も違いますので、症状が死亡(最重症)から気づかない(軽症)まで多岐にわたるわけです。

治療は?

治療は緊急を要します。循環器内科の医師によって、血管内カテーテル検査、治療が行われます。詰まった血管を同定し、様々な器具を使って再開通させることが目標です。また、緊急で手術加療がおこなわれる場合もあります。この場合は心臓血管外科の先生の出番です。

*筋肉、である心臓は脳の神経細胞よりは血液不足に強いため、脳梗塞よりも治療可能な時間は長めです。しかし、一度死んでしまった筋肉は再生しないため、とにかく早く治療開始をすることが目標です!

さてうまく治療が成功した場合、「次の心筋梗塞を防ごう!」というのが二次予防、という考え方です。血液サラサラのお薬や血中のコレステロールを下げる薬を飲むことが多いです。いずにしても、もし心筋梗塞になってしまった場合、しばらくは循環器内科への通院が必要です。落ち着いて、近くの病院で診てもらいましょう、という場合は一般の内科でも経過観察は可能です。

 

心筋梗塞かも!?症状チェックリスト *即受診です!!

□突然の胸痛(左に限りません!!)で特に重苦しい、締め付けられるような痛み

□実はここ最近、階段を上がる、小走りする程度の運動で胸部が締め付けられるような痛みが出現し→しばらくすると改善している

(狭心症=心筋梗塞前段階であった可能性があります、この症状だけでも受診が必要です!!)

 

受診時に確認しておくといいチェックリスト

□高血圧、糖尿病、脂質異常症で加療中であるか

□その他の既往歴(いままでかかった病気)

□内服歴 特に血液サラサラのお薬は内服していますか?

□喫煙歴

 

心筋梗塞の予防

さて、心筋梗塞については診療所で診断、治療を完遂することはできません。しかし、この病気、日々の生活でそのリスクを減らすことはできます。

血管が詰まる大抵の原因が“動脈硬化”です。文字通り動脈が硬くなってしまう状態で、高血圧や脂質異常症、糖尿病などのいわゆる生活習慣病や喫煙などの生活習慣そのものが、原因となります。ある日突然血管が硬くなって、詰まってしまうわけではありません。日々の生活で徐々に血管にダメージが蓄積するのです。同じ変化が脳の血管に起これば脳梗塞のリスクになります。したがって、血管を大事にする生活習慣を心がけ、適切な治療を受ける事=血管疾患のリスクが全部下がる、ということになります。

各項目すべて動脈硬化のリスクとなる事項です。

気になる時は是非確認し、当てはまる場合は受診も検討してみてください!!

□高血圧症

□脂質異常症

□糖尿病

□高尿酸血症

□喫煙

□肥満

 

最後に

当院では常にいつでも“血管を大切にしようキャンペーン”を行っています。具体的には、血管リスクのある疾患にはおせっかいなほど積極的に介入する、日々の生活で取り入れやすい食事や運動の提案をするなどなどです。生活習慣病は自覚症状がないため、治療を行っても中々その効果が実感しにくいのが難しいところです。しかし、結果として心筋梗塞や脳梗塞等重大な疾患につながってしまうこともまた事実です。適切な予防ができるよう、是非当院でもお手伝いをさせてください。

 

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