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高血圧~サイレントキラーの王様かもしれません~

最近血圧が高いなぁ~、健診で初めて高血圧と言われた・・

いろんな人がいると思いますが、間違いなく言えるのは、高血圧の放置は良いことがない!ということです。血圧、もちろん低ければ低いほど良いというわけではありません。心臓がポンプの役割をして血液を全身に巡らせるために血圧は必須です。しかし、その血液が流れる道管である血管に必要以上の圧がかかると徐々に血管の壁が厚く、もろくなっていきます。

そして行き着く先は本幹の詰まり(=心筋梗塞脳梗塞)、破綻(=脳出血等)や細かい枝の障害(=腎障害や目の障害、神経傷害)などの重大疾患です。

開業にあたって“健康”について考えていた時、普遍的なテーマとして“血管を守ろう!”が重要なスローガンであると考えました。そして血管にダメージを与える一つが高血圧です!

高血圧、理解を深めましょう。

 

血圧とは?

そもそも血圧ってなんでしょうか?

血液は心臓がポンプの役割をして1分間に50-100回動脈に押し出されます。この押し出すときの圧力が収縮期血圧(=上の血圧)です。一方で血が心臓に戻る時は心臓が拡張して、各心臓の部屋に血液が充満します。この時の圧力が拡張期血圧(=下の血圧)です。

基本的に血圧は自律神経がコントロールをしています。血圧によって脳を始めとする各臓器に血を送ることが目的ですから、当然寝ているときと起きている時では血圧が変動します。(横になっているときの方が血圧は低めです)

また、病院では24時間血圧を監視する動脈圧測定(A-line)が可能です。変動幅には個人差がありますが、基本的に血圧は常に一定、というわけではなくダイナミックに変動をしています。

 

高血圧の定義

では高血圧の基準はどうなっているのでしょうか?

ガイドラインを見ると、年齢や基礎疾患(ほかに持っている疾患)によって基準が変わりますが、まずは自宅血圧135/85mmHg、診察室血圧140/90mmHgを基準に考えておきましょう。

*詳細は 高血圧治療ガイドライン2019 が参考になります。 

ガイドラインの詳細は記載しませんが、基本的に血圧の基準はだんだん下げられています。高血圧の定義は140/90mmHgから変更がありませんでしたが、無理がなければ、血圧130/80mmHg以下が目標血圧となっています。そして130~140/80~90mmHgは血圧、ということになっています。

出来れば朝夕2回、血圧測定をしてある程度の自分の血圧の傾向(トレンド)がわかるといいと思います。同じ収縮期血圧160mmHgでも、普段150mmHg程度ある人と、普段100mmHg程度の人ではその意義が変わってきます。

 

何がそんなに悪いのか

高血圧、日本全国津々浦々どこにでも患者さんがいます。というか世界中にいると思います。頻度としては日本人の30歳以上の男性50%、女性40%、高齢者なら3人に2人が高血圧とも言われます。

赤信号みんなで渡れば・・という風に、そんなに沢山患者さんがいるならまぁいいか、とは思わないでください!高血圧は明らかに脳や心臓をはじめとする血管疾患の原因となるだけでなく、血管は身体中に張り巡らされていることから分かる通り、全身のありとあらゆる疾患の原因となりうる ということです。

 

※動脈硬化

読んで字のごとく、高血圧は動脈が硬くなる原因の一つです。動脈硬化が進み、石灰化した血管は穿刺(針を刺す)時に本当にコツっとかバキっという感覚が手先に伝わります。

この動脈硬化を背景として、血管が詰まれば心筋梗塞や脳梗塞を起こします。もっと細い血管がダメージを受けると腎臓や神経、目の網膜にもダメージが加わり、様々な疾患につながっていきます。

 

 原因

ではなぜ高血圧になるのか・・多くの高血圧は本態性高血圧=原因はよくわからない高血圧、です。それより稀ですが、ホルモンの疾患などが原因の二次性高血圧もあります。

二次性高血圧には様々な疾患がありますが、その中で最近注目されているのが、原発性アルドステロン症(PA)という疾患です。

 

原発性アルドステロン症

腎臓の上には副腎という小さな内分泌臓器があります。ここで作られるたくさんのホルモンの一つがアルドステロンというホルモンです。このホルモンが必要以上に出てしまうと高血圧を来すことになります。さらに厄介なのは、このアルドステロンそのものに血管にダメージを加えてしまう作用があり、仮に血圧の値は正常におさまっていても、アルドステロンが高値なだけで血管リスクとなってしまうのです。

アルドステロンの値は検査で分かりますが、基本的には内分泌科または腎臓内科の専門の先生に相談をして、より詳しい検査をする必要があります。

当院では血液検査でミネラル(ナトリウムやカリウム等)の値を見つつ、もし原発性アルドステロン症を疑う場合は専門科に相談しようと考えています。

 

その他二次性高血圧の原因としては睡眠時無呼吸症候群なども挙げられます。

 

 治療

高血圧の程度、原因によります。

何らかのホルモン疾患などがあれば、そちらへの介入が治療になります。

本態性高血圧がうたがわれ、他の症状がない(頭痛や臓器の障害)がない場合はまずは生活習慣の改善を図ります。

塩分制限!簡単なようで難しいですが、とても有用ですし、実際減塩を頑張ってくれた患者さんでは、1か月程度で見違えるような正常血圧になってくる方もいます。

他にも夜勤勤務がある方はそれを一旦お休みすることで血圧が低下してくることもあります。

しかし、多くの方は結局うまく血圧が下がらず、お薬が必要になります。たくさんの種類の降圧薬(=血圧を下げる薬)がありますので、うまく血圧を下げるべく、工夫して処方していくことになります。

 

最後に

たかが高血圧、されど高血圧、、、自覚症状がないことが多いので、放置しがちですが、降圧薬で避けられる疾患があります!甘く見ないで是非内科医に相談してください!

もちろん当院でもWelcomeです!

 

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