045-264-6590
CLOSE

SYMPTOM

ほてり~原因と受診のタイミング~

ほてり・・私自身あまり実感したことがない症状なので、入浴後ののぼせ、のようなものと認識していますが・・果たしてあっているのでしょうか? 一方で患者さんからほてり、を訴えられることは時々あります。生活の中では不快感もあり、好ましくない症状であると思います。原因や対処法、受診のタイミングについてみてみましょう。

ほてりとは

英語ではHot flashと言います。医学生にとっては更年期障害のキーワードのようなところもありますが、定義としては「突然起こる熱感」のことで上半身に起こることが多いようです。患者さんからは、突然顔がカーッと熱くなります。などの主訴で語られることが多いです。動悸や発汗、めまいなどが一緒に起こることも多いです。

 ほてりが起こりやすい人

やはり更年期の女性に多い症状です。更年期女性の80%とも言われます。また、月経前症候群でも見られますし、男性の更年期でも10%程度で訴えが聞かれます。

 原因

はっきりとした機序は不明ですが、更年期女性に多いことから予想されるとおり、ホルモンと血管―神経の機能障害によるといわれています。

急にカーッと熱くなる、赤くなる、という一連の反応は血管の拡張が原因であると想定されますが、特に顔面では血管の拡張が交感神経―副交感神経の両者で行われます。そして副交感神経による血管拡張はエストロゲンの影響を受けることが研究でも示唆されています。そのため、何らかの影響でこの交感神経―副交感神経のバランスが崩れると一時的に必要以上の血管拡張が起こり、ほてりを引き起こすことが予想されます。

エストロゲンなどのホルモンバランスの変化以外にも、肥満,高血圧,狭心症,糖尿病,脂質異常症,甲状腺疾患やその他の内分泌疾患、一部の薬剤によってもほてりを引き起こすことが知られています。

診断への道

割合から考えれば、特定の年代の患者さんがほてりを訴えていらっしゃった場合、更年期、の可能性が高いことは容易に予想されます。しかし、頻度が少なくても時に重大疾患が隠れている可能性があることも事実です。したがって、基本的に「ほてり」で困っている患者さんが来院された場合は以下の検査が検討されます。

*バイタル測定;血圧、脈拍、体温など一般的な項目は測定が必要です

*一般的な血液検査;思いもよらない疾患が見つかる可能性もあります

*心電図:動悸の自覚がなくても変化があるかもしれません 心臓疾患の鑑別です

*胸部X線;肺だけでなく、縦隔という胸骨の裏部分に拡大があれば何らかの疾患を示唆するかもしれません。

 

 受診の検討

ほてり、だけで受診が必要であるか議論の余地があると思いますが、日々の生活に影響があるなら、一度は受診を検討してよいと思います。更年期を疑うなら女性の場合直接婦人科や更年期外来のある病院に行っていただくのも良いと思います。よくわからない・・という場合はもちろん内科受診も適応があります。

受診時のチェックポイント

□いつから、どのくらいの頻度でほてりがありますか?

□なにか原因がありそうですか? Ex)○○した後等

□今までかかったお病気はありますか? 既往歴

□今飲んでいるお薬やサプリはありますか? 内服歴

女性の場合は

□月経の周期などに変化はありますか?

 

最後に

ほてり、重篤な疾患とはつながりづらい症状ですが、頻度は低くても更年期ではなく心疾患や代謝性疾患など内科疾患の症状の一つである場合もあります。気になる場合は、かかりつけの内科や婦人科医師に相談してみて下さい!もちろん当院でもお話を聞き、対応を考えていくことが可能です!

ページトップへ