ソージュ山下町内科クリニック

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睡眠時無呼吸症候群をご存知ですか?③ 治療

睡眠時無呼吸症候群 SASの治療法について紹介します。

①や②でご紹介した通り、多くの睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に空気の通り道である気道が狭くなったり(狭窄)閉じてしまう(閉塞)することでいびき、無呼吸を来します。

よって空気の通り道を十分に確保することが治療になります。

減量:肥満があり、首の周りの脂肪が多い場合、気道は細くなりやすいです。よって、肥満があり閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、減量は非常に重要な治療の一つとなります。

睡眠姿勢の工夫:やはり仰向けに寝ると舌が重力で喉の奥に落ちてしまい気道は狭くなりがちです。また、合わない枕の使用もよくありません。睡眠時の姿勢や寝具を工夫してみることもできます。

マウスピース:歯科で作成して夜間のみ装着することになります。マウスピースで下顎を少し前に出した状態を作り出し、喉の奥の空間を広げます。ただし、比較的軽症な睡眠時無呼吸症候群の患者さんには効果が期待されますが、重症の場合は治療効果が足りないこともあります。マウスピースを装着した状態で再度睡眠時の検査を受け、どの程度いびきや無呼吸が改善しているかを確認する必要があります。また、顎や歯等に形の異常や病気がある場合も使用できないことがあります。

CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法):やはり重症の睡眠時無呼吸症候群患者さんで最も効果的な治療がこのCPAP(シーパップ)治療です。これは寝る前に鼻を覆うマスクを装着し、持続的に鼻から気道に空気を送り込むことで、空気の圧を用いて気道が閉じてしまうのを防ぐ治療方法です。閉塞性睡眠時無呼吸症候群の場合、ほぼ100%いびきや無呼吸を改善することができます。医療保険を用いた治療法のため、月1回の通院と約5000円程度の負担で治療継続が可能です。

 

 

 

 

 

 

 

なぜ睡眠時無呼吸症候群の治療が必要?

たかが“いびき”と思っていても、人生の1/3の時間は寝ているとすれば適切な睡眠環境の確保は非常に重要なことがわかります。

睡眠時無呼吸症候群は高血圧をはじめとする様々な疾患の原因となります。

人は眠っている間、基本的に“リラックス”が必要です。それによって脳や身体を休め、翌日からの日中の生活をこなすことができるようになります。

ところが睡眠時無呼吸症候群の場合、寝ている最中に呼吸が止まり体内の酸素濃度が下がることで、身体があたかも”危険な状態!”と勘違いしてしまう状況にさらされます。すると人の身体は本来リラックスモードをつかさどる副交感神経ではなく、危険に対応できる交感神経が優位なモードに自律神経を切り替えてしまうのです。結局本来交感神経が休むべき時間帯にも交感神経優位の状況となり、それは心臓や血管に負担をかけることになります。

それを改善するのがCPAP治療です。

上述のようにCPAPを使えばほぼ100%いびきや無呼吸を改善することができます。CPAPで実際に治療を開始し、その後の死亡率などを調べた研究があります。スペインで行われた研究ですが、睡眠時無呼吸症候群患者ではないがいびきがある人・睡眠時無呼吸症候群患者(軽症)・睡眠時無呼吸症候群患者(重症)・CPAP治療を受けている人を、10年間にわたって追跡調査を行い、いびきも睡眠時無呼吸症候群もない一般の人と死亡率を比較たものです(下グラフ)。その結果、一般の人に対して軽症の患者で2倍、重症の患者で4倍以上の人が、心筋梗塞または脳血管障害で死亡していることがわかりました。一方CPAP治療を受けていた人は、治療をしなかった軽症の患者よりも死亡率が低いことがわかっています。治療が非常に効果的であることがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

グラフからわかること

*重症な睡眠時無呼吸症候群を放置すると12年で15%(100人に15人!)もの人が心筋梗塞や脳血管障害で死亡する

*軽症な睡眠時無呼吸症候群でも12年で5%以上の人が心筋梗塞や脳血管障害で死亡する

*CPAP治療をすれば重症の睡眠時無呼吸症候群患者さんでも死亡率は明らかに低下する(軽症、未治療の患者さんより死亡率が低下する!)

 

CPAP治療、寝ている間にマスクをするなどやや邪魔で使用しづらい印象もあるかもしれませんが、その効果は明らかであり、劇的です。保険診療も可能であり、当院でも積極的に睡眠時無呼吸症候群の治療として取り入れていきたいと考えています。

睡眠時無呼吸症候群が心配な場合、まずは検査から行います。クリニックでも気軽にお声がけください。

 

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