ソージュ山下町内科クリニック

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眼球突出 ~目が出てきた~

眼球突出 読んで字のごとく、目が本来の位置より前方に出ている状態です。

医学的な定義としてはHertel眼球突出計なる測定器があるようですが・・不勉強にてこのブログを書き始めるまで知りませんでした・・それによる測定で診断が可能です。普通は鏡を見て顔貌が変わった、目が出てきたなどで眼球突出の症状を自覚し、病院にいらっしゃることが多いです。片目だけの場合はものが二重に見える(複視)や眼痛、顔面痛などの症状を伴う場合もあります。

眼球突出の原因や受診について、以下見ていきましょう。

 

眼球突出の定義

当然ですが、目の大きさは個人差、人種差が大きいです。したがって一般的な突出の測定に加え、左右差などを加味する必要があります。資料によってやや異なりますが、日本人の平均眼球突出度は13mmということで、上限を15-16mmと設定して、それより眼球が前方に出ていれば眼球突出ということになります。また、左右差が2mm以上ある場合も、異常と判断します。

 

眼球突出の原因

まずは眼窩の構造を見てみましょう。眼球とその周囲の付属物を収める骨で囲まれた構造が眼窩です。→

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この中にすっぽり収まるべきいろいろな構造物が、どれかが大きくなったり腫れたりすれば眼球突出して症状が起こります。

*眼球が大きい 強度近視の方など、眼球自体が平均より大きい場合があります

*構造として眼窩の容積が小さい(頭蓋骨の変化)

*眼窩内の構造物の腫れや腫瘍

*周囲からの圧迫(副鼻腔や脳の血管などが外から圧迫して眼球を押し出してしまう)

これらのうち下2項目に関してもう少し詳しく見てみましょう。

 

内科疾患で眼球突出の原因として最も多いのが甲状腺機能亢進症を来す自己免疫疾患のBasedow病(バセドウ病)です。

 

Basedow病;甲状腺という首の前側にある内分泌臓器の機能が亢進してしまう疾患です。甲状腺ホルモンが増えるため、動悸や体温上昇などの症状が出てきますが、さらに特徴的な所見として(全例ではありませんが)眼球突出という症状があります。Basedow病は自分の免疫が間違って働くタイプの自己免疫疾患ですが、この抗体がどういうわけか目を動かす筋肉(外眼筋)のリンパ球浸潤を起こしたり、眼球の後ろ側にクッションとして存在する脂肪組織を肥大化させるといわれており、これにより眼球が後ろから押され前に出てきてしまいます。

 

腫瘍;眼窩に腫瘍ができることもあります。その場合、余分なものが固い骨で囲まれた空間に現れますので、眼球が前方に押され、出てきてしまうことになります。良性腫瘍の場合も悪性腫瘍の場合もあります。血管腫という血管奇形から悪性リンパ腫まで様々な鑑別が考えられます。CTやMRI検査などが必要ですし、脳外科、眼科、頭頚部外科など適切な専門科の受診が必須です。

 

炎症:眼窩内にある構造物の炎症でもその構造物が腫れて眼球突出を来すことがあります。眼窩の脂肪におけるの蜂窩織炎などが挙げられます。珍しいですが、脳に直結した部分でもあり、早急な治療が必要です。痛みがある、熱がある、など炎症を疑う所見と眼球突出があるなら早期の専門科(眼科のある救急病院など)受診が必要でしょう。

 

受診時のチェックリスト

急激な眼球突出はすぐに眼科受診をお願いします。特に視力低下や視野狭窄(視野が狭くなる)がある場合、後遺症を残す可能性もありますので、早期治療が肝要です。

ゆっくり進行する眼球突出はなかなか気が付かないこともあるかもしれませんが、気が付いた時や気になる時は眼科や内科の受診を検討してください。病気の頻度からもBasedow病を念頭に、さらに眼窩内に異常がないか画像検査をしていくことになります。

□急激な眼球突出/視力、視野の障害 → 今すぐ病院へ⇒

チェックリスト

□いつから症状がきになりますか?

*いつまでは絶対眼球突出はなかった!と言えそうですか?

□目やその周囲の痛みや頭重感はありますか?

□目の見え方に変化はありますか? かすむ、二重に見える等

□その他気になる症状はありますか?

→動悸、体温上昇、暑つがりになった、体重減少 など

□今までかかったお病気はありますか?(既往歴)

□今飲んでいる薬はありますか?(内服歴)

 

まとめ

 

眼球突出、慢性の場合はやはりBasedow病が鑑別の上位になります。私自身比較的眼球突出傾向のため、大学生の頃、眼科で私を診察した若い先生が上級医の先生にこそこそと“甲状腺調べますか?”と言っているのをやや苦笑いしながら聞いていたことがあります。もちろん何らかの疾患が隠れている可能性もありますし、やはり徐々に眼球が突出してくるならそれは何らかの異常のサインである場合が多いでしょう。緊急の場合はすぐに眼科や大きな病院の受診を、それ以外の場合は内科の受診を検討してください!もちろん当院でも診療可能です。

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