ソージュ山下町内科クリニック

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息が苦しい ~呼吸困難~

息苦しさがありますか?

呼吸困難とは不快感や努力感を伴う呼吸運動の“自覚”のことをいいます。

息が苦しい、ものすごい怖い経験ですよね。大げさじゃなく、命の危険を感じるのが呼吸にかかわる症状であると思います。実際、医者も救急現場などで患者さんの“いのち”についてはABCDの順に考える、と教わります。AがAirway=気道、BがBreathing=呼吸です。最初の2つが呼吸にかかわる項目になっているのです。

猛烈に走ったあとの息切れ、苦しいですが、労作に見合ったものであれば呼吸困難とは呼びません。心臓や肺が悪くて呼吸数が上昇する、これは他覚的な指標なので呼吸困難とは言いません。

*実際、明らかにはーはーと肩で息をしているのに、べつに苦しくありませんよ、という患者さんは少なからずいまして・・見た目やバイタルサインとの整合性のなさにびっくりすることもあります。

 

基本的に呼吸関連の異常は受診に結び付く場合が多いのですが、呼吸困難の原因疾患や特に急いで受診すべき場合をチェックリストとして記載しました。

 

呼吸の仕組み

簡単に呼吸の仕組みを見てみましょう。

呼吸の目的は空気を吸って空気中の酸素を血液に送るとともに、二酸化炭素を排出することで、中枢は脳幹にあります。実は肺そのものには拡がったりしぼんだりする機能はなく、脳からの刺激で肋骨の間の筋肉や横隔膜が動くことで肺が空気を取り込んだり(吸気)吐いたり(呼気)します。

 

呼吸困難、の仕組み

呼吸困難はあくまで自覚的な症状、ですので、呼吸機能や体内の酸素量に全く問題がなくても、精神的要素だけで息が苦しい、と自覚すればそれは呼吸困難、ということなります。比較的ありふれた症状でありながら、人が何を“呼吸困難”として自覚するのかはまだはっきりとした説明はなされていません。一応仮説はいくつか提唱されています。

(以下専門的、飛ばしていただいてOKです。)

 

  • 長さ・張力不均衡説

筋肉はその伸び具合(張力)を筋肉自身で検知する装置を持っています。呼吸運動は脳幹からの指令で行われますが、この指令と、実際の伸び具合(張力)に差があると呼吸困難を自覚する、という説。

  • 気道内受容器説

肺や気道には様々な受容器(レセプター)がありますが、その受容器からの刺激が本来の刺激とは異なる場合に、呼吸中枢で呼吸困難を自覚させる、という説。

  • 呼吸筋疲労説

読んで字のごとくです。呼吸に関係する筋肉がつかれて、呼吸困難を自覚する、という説です。ただ・・呼吸は生まれてこの方ほぼ休みなく無意識に行うもの、なぜ急に筋肉が疲れるのか、その説明はないため、変な感じがします。

  • 低酸素による、という説

低酸素の患者さんに酸素投与をすると呼吸困難が改善する、のは事実として見られる現象ですが、一方健常者が激しい運動で呼吸困難感、を感じても低酸素にはなっていなかったりします。

  • 運動指令説

身体は常に受容器から呼吸状態をモニタリングしていますが、このモニタリングの結果と、脳が実際に出している指令に解離があると、大脳にその感覚が送られ、呼吸困難を自覚する、という説

 

正直自分で調べていても全てをスッとは理解できないのですが、こういう仮説があるよ、というお話です。

 

呼吸困難の原因

“呼吸困難感”を来す疾患です。肺の病気どうか、ではなく、どうして息苦しく感じてしまうか、に焦点を当てた分類です。大きく3つに分けることができるでしょう。

  • 換気(空気の出入り)の増加

身体での酸素消費量が上がったり、肺炎などで酸素のやり取りがうまくできず、呼吸数が上がったりして息苦しく感じる、というパターンです。

Ex)発熱、低酸素血症 等

  • 換気能力の低下

肺や筋肉の疾患で呼吸がうまくできない(表現しづらい!)場合です。例えば呼吸につかう筋肉が麻痺、弱っている場合、どんなに息を吸おうと思っても肺に十分量の酸素が入ってきませんので換気(空気の出入り)が必要十分にできない=呼吸困難を感じる、というパターンです。・・わかりづらい!!

Ex)閉塞性肺疾患、拘束性肺疾患、呼吸筋麻痺

  • 心因性:いわゆるパニック発作などで過換気症候群を来すと、著しい、命にかかわるような呼吸困難感の自覚があるようです。実際に死ぬことはないわけですが、患者さんの恐怖は大きいです。今までも同様の発作があるなら、まずは落ち着いて息を吐くことに集中、症状が緩和されたら専門家(精神科や心療内科)への相談も検討しましょう。

 

よくある原因疾患

ある報告では、慢性の呼吸困難を訴えて呼吸器専門のクリニックを受診した患者の調査によれば,呼吸困難の原因疾患の頻度は,呼吸器疾患(肺内,肺外)が75%,心疾患が10%,消化器(胃食道逆流)疾患が5%,心因性が5%などであったと言われています。 やはり肺の疾患が多いようですね。

 

肺の疾患)肺炎、喘息、COPD、肺癌 など

心疾患)心筋梗塞、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)、心不全 など

他パニック発作など

書ききれません・・たくさんの鑑別疾患があります。呼吸困難感があり、心配な場合は是非とも医療機関で相談してください。

 

チェックリスト

呼吸の異常は分単位で生命を左右することがあります。よって緊急性の把握が必須です。

急に生じた呼吸困難感で動くのもつらい、という場合は救急車を呼ぶ必要があるかもしれません。呼吸停止3分以降脳は不可逆的なダメージを受け始めます。原因を把握、速やかな治療が必要になります。

 

救急受診ほどでなく、余裕がある場合は以下の項目を確認し、早期に近くの病院受診を検討しましょう

□いつから症状が出ていますか?

□発作性?持続性?(苦しい→改善を繰り返していますか?ずっと苦しいですか?)

□運動や体動によりますか?

□その他の症状はありますか?

咳 痰 血痰 発熱 胸痛 下痢 下肢のむくみ 等々

□今まで何か病気をされたことがありますか?(既往歴)

□現在飲んでいる薬やサプリはありますか?(内服歴)

□最近の体重変化はありますか?

 

さいごに

呼吸苦は時に命にかかわる疾患の初発症状です。一方でストレスなどの心因でも呼吸が苦しく感じられることもあり、なかなか評価が難しいのも事実です。上記のごとく、緊急事態の場合は早急にしかるべき医療機関の受診が必要です。「ん~よくわからないけど、心配」という場合は是非相談してください。もちろん当院受診もWelcomeです。

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