ソージュ山下町内科クリニック

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吐き気~原因と受診のタイミング~

吐き気、その軽重はありますが、とても不快感の強い感覚です。実際に吐いてしまうとその方が楽、という時もあります。

吐き気(嘔気)の原因はさまざまですが、他の病状と同じく、なんらかの重大な疾患を示唆している場合と、しばらくすれば治ってしまう軽症のものまであります。大事なのは重大な疾患の可能性がある場合に早期受診をすること、もう一つは暴飲暴食や多量飲酒など避けられる原因は避けるようにすること、です。

ありふれた症状ですが、実は嘔気、嘔吐、についてはまだまだそのメカニズムが解明されていない点も多い、不思議な現象です。

吐き気/嘔吐とは?

吐き気とは文字通り吐きそうな感覚、であり、心理体験です。

嘔吐、とは様々な臓器が協調運動をして、胃の内容物を押し出す反応で、胃の出口側が閉鎖され、食道の括約筋(食道にも筋肉があります)が緩み、胃に逆流運動が起こるとともに、横隔膜や腹筋が収縮、胃を圧迫して→嘔吐に至ります。

*胃と食道の接合部が緩いため、胃内のものが静かに逆流してくる現象は

“嘔吐”ではありません。胸やけの原因になります。

ひどい吐き気のみで嘔吐に至らない場合もあれば、吐き気がないのに急に吐いてしまう場合がある、など吐き気(嘔気)と嘔吐、についてはまだまだ不明点がおおいのも事実です。

また、吐くときに脈が遅くなったり、速くなったり、冷や汗が出たり、というのはこの嘔吐中枢のすぐ近くに呼吸中枢や脈をつかさどる自律神経の中枢もあるためです。(一緒に刺激が入って、自律神経症状も引き起こします。)

 

嘔吐のメカニズム

嘔吐中枢、というものが脳内(脳幹部:脳の深い部分)にあります。といっても、解剖して「はい、これ!」とだせるわけではなく、複雑なネットワーク、で嘔吐を引き起こしています。その嘔吐中枢に刺激が入り、ネットワークが働くことによって嘔吐につながるわけです。この嘔吐中枢への刺激は脳自体への物理的な圧迫によるパターン(脳圧亢進や腫瘍など)、神経を伝達されるパターンと血中の化学物質(神経伝達物質や薬)によるパターンがあります。

 

原因

原因としては大きく4つに分けて考えるとわかりやすくなります。

大脳からの刺激

精神的な負荷(ストレス等)で嘔気、嘔吐を来しますが、そのメカニズムははっきりしません。1回の精神的な原因の嘔吐は急いで受診を要する嘔吐、には含まれません

一方で脳の疾患で嘔吐を起こすことがあります。頭痛を伴う(特に起こった時間が分単位で分かるような突発的な頭痛)、最近頭をぶつけた、などがあり、嘔気・嘔吐がある場合、脳圧の亢進など緊急疾患を示唆する症状の可能性があります。まずはCT検査などが検討される症状です。早急の受診が必要です。

 

化学物質による刺激

ちょっと細かい話ですが、基本的に脳は血液脳関門という構造で血液中の化学物質などが自由には出入りできない器官です。特別なバリアがあると思ってください。(だからこそ髄膜炎や脳炎の薬物治療が難しいのですが・・)

ただ、部分的にそのバリアがない部位があり、その一つが先ほど紹介した嘔吐中枢の部分です。なので、飲んだり点滴をしたりした薬が嘔吐中枢の部分に刺激を与え、嘔吐を引き起こすことがあります。代表的なのがモルヒネやジギタリス(心臓の薬)でしょうか・・

この場合は制吐剤=吐き気止めで吐き気を抑えて必要な薬は使い続ける必要があります。または薬の変更も検討できるかもしれません。

 

耳から

身体の回転や耳の奥(前庭器官、身体の平衡感覚を司る部分)の刺激が嘔吐中枢への刺激を引き起こし、嘔吐に至る場合があります。乗り物酔いなどもここに入ります。

 

末梢から

末梢てどこ?と思いますよね。胃とか腸など消化器からの刺激で嘔吐が引き起こされる場合です。食べすぎや胃腸炎などもこちらに含まれます。本来最も想定しやすいかもしれません。

 

危険な嘔吐、についてです。以下に当てはまる場合は早期受診が必要です。

①最近頭をぶつけて、嘔吐を繰り返す →硬膜下血腫や脳出血かもしれません

②早朝の頭痛がある、意識がおかしい、手足の動きが悪い(麻痺)など吐き気、嘔吐以外の症状がある →脳腫瘍などが鑑別に挙がります

③嘔吐を繰り返し、水分が摂れていない、または尿量が減っている

→著しい脱水や体内ミネラルバランスが崩れることがあります。大人でも1日水分が取れなければ危険です。かかりつけ医に相談してみましょう。点滴による脱水の治療や大きな病院に紹介になることもあるかもしれません

④吐いたものに血が混じる:赤い血ならわかりやすいです。しばらく胃の中に貯まった血は黒っぽい、コーヒー残渣様、と呼ばれる状態になることがあります。もはや医師が見ないとよくわかりません。まずは電話相談でもよいので、食べたものや胃液以外のものを吐いた場合は受診を検討しましょう。

 

受診時のチェックリスト

受診時に以下の項目を確認しておくとスムーズです。

□いつから、何回くらいの嘔吐がありますか?

□腹痛など他の消化器症状はありますか?

□意識がもうろうとするなど、消化器以外の症状はありますか?

□最近変わったものを食べたり、海外に行ったり、動物と接触する機会はありましたか?

□いままで何か病気をされましたか?(既往歴)

□今何か薬を内服していますか?(内服歴)

□おなかの手術を受けたことはありますか?

 

最後に

吐き気/嘔吐、非常に気分深いの強い症状です。まずは原因を考え、ひどい吐き気の場合は吐き気止めを点滴したり内服していただくこともあります。これからの時期、食中毒も増えることが予想されます(ノロウイルスなど)つらい症状がある場合は、早めの受診を検討してください。もちろん当院でも診療可能です。

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