ソージュ山下町内科クリニック

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アルツハイマー型認知症 ~詳しい解説~

認知症、一度正常に発達した認知の力が徐々に低下していく疾患です。

最も有名なのがアルツハイマー型認知症であり、実際患者さんの数も多いです。

他にもレビー小体型認知症や脳梗塞を契機とした認知症、Pick病として有名な前頭側頭型認知症などが認知症に分類されますし、認知機能に障害をきたす病気はたくさんあります。

今回はアルツハイマー型認知症について詳しく見ていきましょう。

→簡単な紹介もこちらにあります。

アルツハイマー型認知症~まずはわかりやすい言葉で~

*アルツハイマー型認知症とは

脳の役割の一つが記憶です。それを司る海馬の神経細胞が徐々にダメージを受けて脱落していくことで記憶障害やその他様々な症状を来してくる疾患、それがアルツハイマー型認知症です。海馬以外の神経細胞も徐々にダメージを受けるため、脳は全体的に萎縮してきます。

従って一言で表せば、アルツハイマー型認知症とは

「記憶を司る神経細胞がダメージを受け、記憶障害から徐々に進行する脳の病気(変性疾患)」と言えます。

 

*症状は?

記憶障害が目立ってきます。物忘れ、財布をしまった場所を忘れたとかあの人の名前が思い出せない・・これはもちろん物忘れではありますが、かならずしも認知症の症状ではありません。

分類は簡単ではありませんが・・

朝ごはんに何を食べましたか? と聞いて

「えっと・・今日は何を食べたかしら?」というのは物忘れ

「そもそも朝ごはんを食べたかしら?」というのは記憶障害の可能性が高いです。

買い物に行って何を買うか忘れるは物忘れですが、そもそもなんで外出したか忘れてしまう、というのは認知症の可能性を感じさせるエピソードです。

アルツハイマー型認知症の場合、他にも

□時、場所、人 に関する認知が悪くなる(見当識障害)

→日付を言えなくなる方はとても多いですね。元号を聞いて昭和・・と答える方も稀ではありません。ざっくりと季節を聞いてもわからない方も多いです。また、一緒に来院したご家族を「どなたですか?」と聞いて答えられない場合、症状は重度と考えられます。

□物事を組み立てて実行することが難しくなる(遂行機能障害)

→何ら問題なく行えていた調理などを順序良くこなせなくなったり、同じメニューしか作らなくなったり、味付けが激変(異常に塩辛い、甘い等)を心配したご家族に連れられて患者さんが来院されることもあります。

□服を着るなど単純な動作のやり方がわからなくなる(失行、失認)

→洋服の着方がわからなくなってしまったり(失行)、ズボンに一生懸命腕を通してしまったり、洋服そのものが認識できなかったり(失認)します。

さらに、上記の症状に加え、周辺症状と呼ばれる様々な症状が生活に支障を与えることになります。

代表的な周辺症状としてはせん妄、うつ、イライラ、昼夜逆転、徘徊などがあります。

 

*診断は?

まずは病院での問診がとても重要です。認知機能の低下を疑うエピソードがいつごろから現れたのか、是非ご家族から聞き取る必要があります。

※例えば1か月で急速に認知機能が低下する場合、認知症よりも他の疾患を疑って早めにいろいろな検査(CT・MRIや必要に応じて髄液検査、脳波検査など)を行う必要があります。急に進行する認知症の場合、よくよく確認すると意識障害であり、脳腫瘍、正常圧水頭症、何らかの代謝性疾患、血液検査異常が見つかることも少なくありません。

認知症が疑われると、いくつかの簡単なテストをしたり、CTやMRIで典型的な脳の萎縮があるかを確認したりします。より詳細な検査の場合は、脳の血流(血液が適切に分布しているか)の検査(SPECT)や髄液検査、脳波検査を行うことが必要です。

最終的にこれらの検査結果を踏まえてアルツハイマー型認知症や他の認知症と診断を下すことになります。

*治療は?

残念ながらすべての神経変性疾患(=脳の特定の細胞が徐々にダメージを受け脱落していく病気の総称)同様、アルツハイマー型認知症も根治は困難な疾患です。薬を飲んだり手術によって認知機能を元に戻したり、完全に進行を止めることはできないのです。

一部記憶力低下を緩やかにする効果が認められた薬がありますので、それらを使用することもあります。ただし、吐き気などの副作用で飲み続けることが難しいこともあります。

また、イライラや昼夜逆転などに対しては対症療法として昼と夜のリズムをつけるためのお薬や漢方などを用いることもあります。

*予後は?

アルツハイマー型認知症は個人差も大きいものの基本的に緩徐に症状が進行します。症状の進行に合わせた、できれば次の進行を予想して先取りの療養環境の調整などが必要となります。

自力で身の回りのことができなくなれば介護は必須です。

命の観点からいうと、アルツハイマー型認知症自体が癌のように直接命を奪うことはありません。しかし、認知症になると危険を察知する力が衰え怪我をしやすくなったり、自分の身体が出す不調のサインに気づきづらくなり、重症になるまで身体の病気を放置してしまったりするリスクが高くなります。また、徐々に症状が進行し寝たきりになると飲み込む機能が低下し、誤嚥性肺炎になりやすくなるなど、アルツハイマー型認知症を起点とした他の疾患により寿命が規定されてしまいます。実際アルツハイマー型認知症の患者さんは発症して(最初に症状が現れて)8-10年程度でなくなることが多いといわれています。

 

*最後に

アルツハイマー型認知症と診断された場合、そこから年単位で“その後”を考えていく必要があります。急に何かが変わるわけではありませんが、アルツハイマー型認知症は確実に進行していく病気です。症状に合わせた介護サービスや医療の介入も必要になります。

医師との付き合いも長いものになっていきます。治すことが難しい疾患であるからこそ、患者さん一人一人に寄り添い、症状にあわせた介入を目指すことが重要です。

当院でも認知症患者さんのケアは可能です。のんびり、介護保険やデイサービスを使いながら生活に合わせた医療を提供できればと考えております。

何か気になることがあれば是非ご相談ください!

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